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タイトルは常に漢字二文字にこだわっただけの日記。  *広告目的のコメントはwho54211の判断により消去・ブロックさせていただきますのであしからず*


by who54211

格闘

患者さんのなかには、ものすごく痛みの訴えが強い人がいる。

ワタシの勤める病院では、ほとんどの患者さんは在宅復帰できない。つまり、なんらかの介助をず~っと必要にする方ばかりなのである。
そうなってくると、患者さん本位の治療、というよりは、どうしても「看護・介護」がしやすい状況に近づけるようなリハビリメニューを組むことが増えてしまうのだ。

あんまり訴えのできない患者さんはまだしも、まだ自分の訴えができて、理解力が微妙な患者さんになるとほんとに喧嘩のような会話になることもしばしばである。

痛みというのは、主観的な症状であり、客観的に判断することができない。だから、顔の表情や、患者さんの抵抗、訴えを聞くしかないのだ。

でも、痛みの訴えをすべて聞いてしまえば、リハビリそのものがまったく進まないケースも少なくないのだ。

関節を動かさなければ、固まってしまう。週に2度のリハビリの機会だけでもしっかり動かせる最大限に動かしたいのだ。

関節を動かすときに、「最終域感」というものを手で感じながらやるのだが、関節が固まりかけてる患者さんは、その最終域感をワタシが感じる前に痛みを訴えることが多い。痛みに対する閾値はそれこそ千差万別で、我慢できる患者さんもいれば、ほんのちょっとのことで我慢できない患者さんもいる。

正直、ほんとに痛みの訴えの強い患者さんは診たくない。

こちらとしては、治療目的でやってるのに、「もういい」といわれることがどれほど理学療法士として辛いことなのか、医者は絶対分かってない。

目的も無く、やみくもに患者さんを痛めつけているわけじゃないのだ。でも、ほかの患者さんや家族からしてみれば、リハビリを受けることって相当な苦痛なのだとインプットされてしまうのだ。

痛みを取り除かなければ、動けないというのも分からなくもない。痛みを取り除く方法にもいくつかあるが、即効性のない筋力トレーニングや運動というものは、嫌われて当然である。面倒だし・・・。

でも、筋肉が衰えればそれだけ骨や関節に負担が行き、そこが痛むようになると服薬や注射をしてもらっても根本的な解決にならなくなるのだ。

介護予防、という言葉がある。

日常生活における運動量が極端に減りつつある現代社会では、25歳を過ぎたらなんらかの筋力トレーニングを含めた運動をしないと、高齢者になってから守るべき筋肉がなくなってしまうため、骨、関節がボロボロになるのである。

これは脅しではない。

明日もまた「痛いんだよ」「やめてくれよ」と叫ばれながら仕事するのか・・・。
・・・ま~そんな人ばっかじゃないんだけどね。
by who54211 | 2008-04-03 18:19 | 仕事