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タイトルは常に漢字二文字にこだわっただけの日記。  *広告目的のコメントはwho54211の判断により消去・ブロックさせていただきますのであしからず*


by who54211

大量

映画祭二日目は怒涛の五本立てである。

一本目は「Blood in the Mobile」。
携帯電話をはじめとする精密電子機器にはレアメタルと呼ばれる貴重な金属が使われている。日本でも一時期このレアメタルの輸出を中国がストップしてパニックになりかけたことがあったが、ヨーロッパでは主にコンゴから輸入しているらしい(バイヤーはフィリピンに会社があるのだが)。このレアメタル輸出、一部過激派が独占し、その利益で武器購入をしているという。その武器で内戦が起き、何万人もの人が亡くなり、何万人もの女性が強姦の被害にあっている。問題が露呈したのは10年も前なのに、未だヨーロッパ最大手のノキアではなんら具体的な解決策を講じておらず、取材しているベルギー人の監督に対する答えも的を得ない。
ただ、監督本人も言っている。「この便利な道具を手放せない。いくらこの中に血に塗れた金属が使われてるとしても」
ものすごい葛藤である。
興味深かったのは「ipad2が当たる」と言う映画祭んの作品投票があるのだが、その投票所で観客のお一人が
「私はもうこれ以上レアメタルが使われてるものは要らないわ」
と投票しているお友達を尻目に出て行ったことである(ワタシはもちろ投票したがw)。

二本目は「How to die in Oregon」。
安楽死、尊厳死はスイス、ベルギー、そしてオランダでは合法であり、アメリカもオレゴン州では合法である。
映画は自ら尊厳死を選んだ患者さんたちを通したドキュメンタリーである。高齢者が三人、そのうちお一人は尊厳死を迎える前に病院で亡くなり、50代の癌の女性が一人。合間に末期癌でありながら、尊厳死やホスピスケアに反対し、断固治療を続けてそのまま亡くなった男性。2008年革命的なオバマ大統領の誕生の裏にはワタシの暮らすBC州のお隣アメリカワシントン州で尊厳死を認める法案が州民投票によって可決。これに尽力を尽くした女性は、旦那さんの壮絶ながんとの闘いを経験していた。
ワタシは尊厳死は選択肢も一つとして存在すべきだと思っている。自分が選ぶ選ばないに関わらずである。
尊厳死を自殺幇助という人もあるが、その身体が壊れていく苦しみは死ぬより辛いと感じる人もいるだろう。オレゴン州での尊厳死は医者が注射をするのではなく、患者自らが服薬し、眠るように亡くなる。ある意味理想的である。日本でもカナダでも認めてられていない。でも考えるべき死の在り方である。

三本目は「The front line」韓国映画で朝鮮戦争が舞台である。軍に入隊したばかりの韓国軍の若者数人。親友とそこで引き裂かれたユンピョンはその後軍の法規部隊となる。上司から「最前線で北からこちらに手紙を運んでる奴らがいる。捜査せよ」と命令される。朝鮮戦争の最前線となったAerok hill。ここで死んだと思っていた親友に再会。親友は自分よりもずっと昇進していた、そしてこの丘には更なる秘密が...。
正直な感想は軍の規律とはかくも厳しいものなのか、ということ。和平宣言に署名が為された後も「この署名が有効になるまであと12時間ある。その間に丘を奪取(相手側は死守)せよ」という非情な命令が下るのだ。ウソだろ!?である。
ベトナム戦争でPTSDになった兵士がたくさん出たが、この朝鮮戦争もしかり。若くして大将となった青年は最前線にくる前の闘いでPTSDとなりモルフィネ依存症になっている。
未だ緊張続く北緯38度線。徴兵制度の残る韓国。いろいろ考えさせられた。思ってた以上にワタシは歴史を知らない。

四本目は「the natural phenomenon of madness」。フィリピンの映画である。
正直今まで見たなかで最悪だった。映像はモノクロながらも美しいのだが、いかんせんストーリーが途中で読めてしまって「早く終わんないかな〜」と思いながら見てた。近親相姦と不治の病がテーマ。もうちょっと最後まで謎解きできないようにしておいてくれればな〜とおもった。

〆は中国映画の「Shattered(老唐頭)」。
激動期の中国を生き抜いたじい様を中心にその家族が波瀾万丈の半生を振り返るというもの。じい様、日本統治下においても日の丸に傅くことはしなかったという頑固者。でも共産党からも解雇されてるんだが。
近代中国が抱える問題をじい様の生き様を通して伝えている。ものすごく生々しかった。残念なのは北京語って普通にしゃべってても起こってるように聞こえて感情が読みにくかったのと、字幕(英語)の切り替えが早過ぎて読みきれなかったこと。エンディングにテレサテンの「償い(中国語バージョン)」が流れてたのが印象にのこった。

流石に五本は腰に来た。明日の仕事大丈夫か、ワタシ...。


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by who54211 | 2011-10-02 06:39 | 報告