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タイトルは常に漢字二文字にこだわっただけの日記。  *広告目的のコメントはwho54211の判断により消去・ブロックさせていただきますのであしからず*


by who54211

普通

「世界ってこんなに熱いものだったんだ」

この台詞が使われた映画が「檸檬のころ」。原作も同名の短編小説集である。

栃木県でオールロケした映画だったので、特別鑑賞券で安く見れるから~と見たのだが、どうしてもストーリーの下地を知りたくて、原作の単行本を購入したのはもう大分前のことだ。
短編集だから一つ一つ読んでると、なんとなく読み終えるのに時間がかかってしまうワタシの悪い癖。ツヅキモノは逆に一気に読みたくて、「バッテリー」シリーズをブックオフで集めてる最中だ。

この「檸檬のころ」っていうのは田舎の進学校を舞台にした、なんでもない生徒たちのお話である。

ワタシが高校生だったのはもう10年以上も前の話になってしまったが、やっぱり経験したことだからなんだろうか?この手のお話は共感を得ることが多い。

特にこの本に関しては、最期の解説で「豊島ミホは『なんでもない』を輝かせる人である」と賞賛されていたが、まさにその通りで、普通に高校生をしていたワタシにはとても近いお話だったように思う。それがうまく切り取られているのだ。(どういうのが普通なのかって聞かれると答えるのが難しいが・・・。)

この豊島さんと同世代の作家というと金谷ひとみさんや綿谷りささんがいるのだが、どちらの小説の切り口もどちらかというと「目新しいもの」を取り扱っていることが多い(全部読んだわけじゃないから断言はできないけど)と思う。そういう意味ではこの人の作風は逆に新鮮だったかもしれないなぁ。

冒頭の一節は、ひとつの短編の主人公である女の子が恋に目覚めた時に、発した言葉だ。

恋愛に限らずだが、ふっと何かが開けたような瞬間って、こういう思いを抱くような気がする。大人になった、と言われてしまう今でさえ・・・。

大体映画とかドラマは原作には勝てないものだが、原作を後から読むと実写のよさが引き立つのかもしれない。ちょっともう一回「檸檬のころ」見たいかもと思い始めた雨の午後・・・(昼休みに読んだの!!ちゃんと仕事してるってば!!!)
by who54211 | 2007-05-17 22:25 | 趣味